予防接種とワクチン

予防接種とワクチン

新型コロナウイルスの蔓延により、人々の感染症に対する意識が非常に高まりました。晩秋〜冬〜春先までは特に、新型肺炎以外の感染症の罹患率も増加します。

何となく知っているようで、正しく把握できていない予防接種やワクチンのことについて、おさらいしましょう。

参考資料:厚生労働省 予防接種情報
製薬業界 用語辞典 Answers

予防接種とは?

予防接種とは、病気に対する免疫をつけたり、免疫を強くするために、 ワクチンを接種することをいいます。

ワクチンを接種した方が病気にかかることを予防できたり、人に感染させてしまうことで社会に病気が蔓延してしまうのを防いだりすることを主な目的として、予防接種が推奨されています。

また、病気にかかったとしても、ワクチンを接種していると重い症状になることが緩和できる場合もあります。

ワクチンとは?

生物学的製剤(バイオテクノロジー技術によって生産された医薬品)の一種で、接種することで感染症の予防に有効な作用を持つ医薬品のことをいいます。

毒性がなくなった、もしくは弱められた病原体を体内に注入することで対象となる感染症の抗体を作り、感染症にかかりにくくする効果があります。

ワクチンには、どんなものがあるの?

国の予防接種法に基づく「定期接種」のワクチンとして、ジフテリア・百日せき・破傷風・急性灰白随炎(ポリオ)など「A類疾病」に対する予防接種は、誰もが受けるべきとされています。居住する市町村内で、公費にて接種することが可能です。

そのほか、B型肝炎・Hib感染症・小児の肺炎球菌感染症・結核(BCG)・麻しん・風疹・水痘・日本脳炎・ヒトパピローマウイルス(HPV)感染症などが「A類疾病」に含まれます。

「A類」に対し、費用の一部を公費で負担する「B類疾病」があります。季節性インフルエンザ・高齢者の肺炎球菌感染症がそれにあたります。

そのほか、任意接種のワクチンとして、海外渡航の際に、渡航先によって事前に接種することが望ましい予防接種もあります。黄熱病・A型肝炎・B型肝炎・破傷風・狂犬病・ポリオ・日本脳炎・髄膜炎菌などが、これにあたります。

改正予防接種法成立/新型コロナウイルスワクチン

2020年、世界中に広がった新型コロナウイルス感染症。日本では、新型コロナウイルスワクチンの接種無料化を柱とする改正予防接種法が2020年12月2日の参議院本会議で可決され、成立しました。

これにより、ワクチン接種の費用は国が全額負担することになり、各市町村ごとにワクチン接種の機会提供や案内がなされます。

国は製薬会社との間に、新型コロナウイルスワクチンの接種による健康被害が生じた場合の損害賠償を肩代わりする契約を結びます。

日本国民は、原則として接種の努力義務(強制ではない)が生じますが、ワクチンの有効性や安全性が充分に確認できない場合は、適用されません。2020年11月末時点でも、新型コロナウイルス感染症に対し有効かと思われるいくつかのワクチンが発表されていますが、今後、どのワクチンが「接種の努力義務」にあたるワクチンとして選定されるか、厳しく見守っていく必要があります。

ワクチンの効果は、どれくらい持続するの?

ワクチンを接種することにより、多くの方は免疫を獲得できます。しかし、ワクチンの種類によって免疫が備わる効果が得られる割合は異なります。また、獲得した免疫が薄れていくまでの期間はワクチンによって異なってきます。

※例えば、

  • 麻しんワクチンや風しんワクチン:1歳以上で2回接種することにより、ほとんどの方に免疫がつき、麻しんや風しんの感染から守られます。
  • インフルエンザワクチン:ワクチンを接種したにも関わらず、人によってはインフルエンザにかかることもあります。しかし、社会全体で見ると、ワクチンの接種によって発病や重症化の確率が抑えられます。

型がたくさんあるインフルエンザの予防接種を毎年受けていると、いくつもの型の抗体が体内にできて、年数がたって抗体が薄れたとしても、その年に接種した以外の型が広まった場合、症状が抑えられるとも言われています。

ワクチンによる副作用の心配は?

個人差はありますが、ワクチンの接種により副作用が起きることがあります。多くは発熱したり、注射した部分が腫れるといった、比較的軽く短期間で治るものです。ごくまれに、重いアレルギーなどが起きることもあります。

予防接種を受ける前には、問診票の記載や体温測定があります。医師による問診もありますので、心配な方は事前にきちんと相談してから受けてください。

予防接種を受けた後は、しばらくの間、接種した医療機関にいて、何も体調に変わりが無いことを確認してから帰宅しましょう。まれに接種直後に副反応が起きることがありますが、医療機関内にいればすぐに対応してもらえます。

※例えば、

  • アレルギー反応(アナフィラキシ-):医療機関内にいればすぐに治療を受けられます。
  • 顔色が悪くなり、脈が遅くなって、血圧が下がり、時に気を失って倒れる(血管迷走神経反射):横になって寝ていると回復します。特に、極度に緊張していたり、疲れている時などは、痛みや不安などによって神経反射が起こりやすいので、注意しましょう。 

予防接種を受ける際は、体調をととのえてから受けるよう心がけてください。万が一、定期接種のワクチンにより健康被害が生じた場合に備え、健康被害救済制度が設けれていますので、そのような際は速やかに受診した医療機関に連絡し、指示を仰いでください。