静電気と帯電防止加工

静電気とは
私たちをニンゲンを含め、身の回りにあるすべての物体が持つ電気で、プラスとマイナスの電気を同じ数だけ持つことで釣り合い(中世な状態)を保っています。
摩擦などの影響で、マイナスの電気が強い方に引っ張られると、弱い方のマイナス電気を持ち去られた代わりに、プラス電気が入ってきてバランスを崩してしまいます。その状態を「静電気」を帯びた状態と言います。
静電気によって起こる困りごと
- モノに触れたとき、バチッと痛みを感じる
- テレビ画面や鏡などが、ホコリを吸着する
- 服を脱ぐとき、バチッと電気が走る
- ドアを開けるとき、ドアノブに触れただけで電気が走る
- エレベーターのボタンを押すと、バチッと電気を感じる
- 髪の毛がブワッと逆毛だってしまう
- 握手したとき、バチッと電気が走る
- 洗濯物やコートなどに花粉が付きやすくなる
- パンストを履いた足にスカートやワンピースの裏地がくっ付く
- 着物の内側で、長襦袢がまとわりつく
- カメラやオーディオ、パソコン類など精密機器にホコリが付きやすくなる
冬に静電気が起こりやすいのはナゼ?
静電気は乾燥状態にあるほど発生しやすくなります。
室内が乾燥する冬、お肌が乾燥しがちな冬に、どうしても起きやすくなってしまうのです。
繊維製品にほどこす帯電防止加工
静電気が起こりやすい状態を抑え、快適に保つ加工を「静電気防止加工」=「帯電防止加工」と言います。
- 繊維表面に親水化薬剤である「帯電防止剤」を付着させ、静電気が起こりにくくする後加工。静電気防止加工は、合成繊維等の染色加工が済んだ後に行う
- 空気中の水分を吸着して、電気を通しやすくする薬剤を付着させることで、導電性が高まり衣服の摩擦を減らす
- 電気を通しにくい合成繊維や化学繊維に帯電防止剤を付着させ、電気を通しやすい生地に変える
- 市販の静電気防止スプレーやクリーニング店の静電気防止加工などにより、帯電防止をする
- 化学繊維、合成繊維などを作る際に、導電性が良い金属繊維・カーボンブラック・カーボン繊維などを織り込んだり、糸の中心部に入れて紡いだりする
静電気の発生を抑えるには
- 部屋を加湿して適度な湿度をキープする
- ハンドクリームを塗って、手を保湿する
- 乾燥肌にならないよう、顔や腕、背中、膝下などにも保湿クリームを塗る
- 洗濯するとき柔軟剤を使う
- 静電気防止スプレーを上手に活用する
- ドアノブなど金属をさわる前に木製家具をさわるなどして、たまった電気を先に逃がす
- 綿素材、アクリル素材、ポリエステル素材、ウール素材など、異なる素材を重ね着すると静電気が発生しやすくなるため、同素材を身につける
- 帯電しにくい木綿や麻などの天然繊維の肌着を着た上に、ニット素材やアクリル素材などを重ねる
- 入浴時、お湯の温度を高くしすぎず(40℃以下を目処に)、皮膚表面を溶かして乾燥肌になるのを防ぐ
- 長風呂をし過ぎない
- 入浴時に肌をゴシゴシ洗い過ぎない。ナイロンたわしやボディブラシで擦るのも控える。冬場は特に、毎日の石鹸洗いを減らし、手でやさしく洗い流す程度にする