メタボリックシンドローム、って?

「メタボリックシンドローム」とは、運動不足や肥満を原因とする生活習慣病になる前の状態のことで、略して「メタボ」と呼ばれることもあります。
感染症予防による「おこもり生活」やマイカー移動、デスクワーク中心の生活は、メタボ率を上げる原因につながります。知ってるつもりの「メタボ」について、再確認してみませんか。
肥満とメタボ、違いは?
「肥満」は、体脂肪が体内に過剰に蓄積した状態のことをいいます。
「メタボリックシンドローム」は、おなかの内側や内臓まわりに脂肪が蓄積する「内臓脂肪型肥満」と脂質代謝異常、高血圧、高血糖のうち、2つ以上当てはまる状態をいいます。
「肥満」は全身、「メタボ」はおなか周りと覚えても良いでしょう。
メタボリックシンドロームとは?
- ウエスト周り(おへその高さの腹囲)が、男性では85cm、女性では90cm以上ある人
- 血圧、血糖、血清脂質が基準値から2つ以上外れた人
1と2の両方に当てはまると、メタボリックシンドロームと診断されます。
近年、いっそう増加の傾向にあるメタボリックシンドロームは、中高年に限った病気ではなく、年齢・性別を問わず、誰もが意識しないといけない症状です。
肥満度を表す指標は「BMI」で算出、表示されます。
体重(kg)÷身長(m)の2乗
例: 50 ÷ 1.6×1.6 = 19.53125
WHO(世界保健機構)の基準では、この数値が30を上回ると「肥満」とされます。
日本肥満学会の基準では、18.5未満は「低体重(やせ)」、18.5~25未満「普通体重」、25以上が「肥満」とされ、30以上は「高度な肥満」とされます。
どうして太るの?
- 摂取カロリーと消費カロリーのアンバランスによる過剰なエネルギー摂取
- 朝食抜き、1日1食、夜遅い食事、外食続きなどによる食生活の乱れ
- 揚げ物や濃い味付けを好み、脂質や塩分を多く摂取する食生活
- 運動不足により、消費カロリーの低下を招く
- 夜型の生活はカロリー消費が抑制され、エネルギー蓄積傾向に向かう
- 基礎代謝の低下
- 過度なストレスを抱える など
食生活を変えてみる
- ・ドカ食いをしない。できれば「腹八分」を意識した量に。
「お替り無料」「大盛り」サービスに引っ張られない。 - 外食が続くようであれば、野菜や海藻を使うメニューも選ぶ。
- 食べる物を選ぶとき、バランスの良い組み合わせを意識してチョイスする。
- 野菜や海藻類を先に食べるようにする。
- 朝食を抜かない。1回の摂取カロリーを増加させず、分割して摂り入れる。
食べ物が入らなければ、みそ汁を飲むだけでも心がける。 - よく噛んで、ゆっくり食べる。
- ミルク、砂糖たっぷりの飲み物より、水やお茶を飲むようにする。
- おやつは極力、1日1回と決めて、甘いものをちょこちょこつままないよう努力する。
- 就寝前の3時間は食べ物を口にしない。
など、できることから小さな改善を積み重ねて、徐々に食生活の改善を心がける。
運動は、できることから
ふだん何も運動を意識しない人が、いきなり「やるぞ!」と心掛けても、長続きしません。急に思い立って、身体をいためることも。
まずは少しずつでも、週に1回から2回、3回と増やしても‥‥ 無理なく繰り返し続け、習慣化することを心掛けましょう。
例えば、体重50kg/70kgの人が30分の運動で消費できるカロリーは、
- ストレッチ 62kcal/87kcal
- ヨガ 62kcal/87kcal
- 早歩き 96kcal/135kcal
- 踏み台上り下り 135kcal/189kcal
- 水泳(ゆっくり) 158kcal/221kcal
- ジョギング 184kcal/257kcal
気軽に始める行動変化
例えば、体重50kg/70kgの人が30分の家事や行動で消費できるカロリーは、
- テレビを視る 26kcal/37kcal
- 読書 34kcal/48kcal
- 皿洗い 57kcal/80kcal
- 掃除機をかける 87kcal/122kcal
- 普通に歩く 79kcal/110kcal
- 自転車に乗る 105kcal/147kcal
体重が違うと、同じことをしても消費カロリーは違ってきます。
しかし、食べ物のカロリーは何キロの人が食べても同じです。何をどれくらい食べて、どんな運動をするか、意識しながら行動しましょう。
運動=スポーツとだけを捉えるのではなく、日常生活において家事をしたり、仕事をして動いたりすることもエネルギー消費につながります。
体力をつけて基礎代謝(身体を維持するために何もしなくても消費されるカロリー)を高めることも、消費エネルギーを増やすことにつながります。
肥満予備軍とも言われるメタボリックシンドロームは、その診断を受ける頃には既に本人が気づいていることも多いようです。
日々の生活を少し意識して変えることが、健康長寿の第一歩。
あなたの毎日が、明るく健やかに、充実した日々でありますように。