
厚生労働省の人口統計資料集によると、日本人の死因の順位は2020年データで3位:老衰、2位:心疾患、1位:悪性新生物(がん)と出ています。
1960年代~1980年データまでは脳血管疾患が日本人の死因第1位でしたが、1990年データから悪性新生物(がん)が死因の1位となり、以降2020年データまでずっと1位が続いています。しかも、がんの発症率は年々高まっています。
2023年1月末、食べ物とがんの発症リスク、死亡リスクについて、医学誌に気になる調査結果が発表されました。
「超加工食品の摂取量が多い人ほど、がん発症率、がんによる死亡率が高くなる」という内容です。
「超加工食品」耳慣れない言葉ですが、その中身は私たちがふだん口にするような食品ばかり・・・
超加工食品とは?
- ソーセージ、ベーコン、ハムなどの加工肉
- ミートボールやチキンナゲット、フライドポテトなど
- 清涼飲料水、炭酸飲料など
- ポテトチップスなどのスナック菓子
- 菓子パン、総菜パンなど
- カップ麺などのインスタント食品
- ピザ、ホットドッグなど
- ケーキ、クッキー、ビスケット、パイ、ドーナツ、マフィンなど
- シェイク、カスタード、アイスクリームなど
- 出来合いのスープやソースなど
上記のような糖分や塩分・脂肪を多く含む加工済みの食品を「超加工食品」といいます。硬化油・添加物・香味料・乳化剤・保存料などの添加物を加え、工業的な過程をへて作られる加工食品は、常温で保存できたり、日持ちを長くしたりしています。
がんリスクとは?
長年、日本人の死因第1位にあがっている癌。なぜ、癌になるのか? どんな人が癌になるのか? どういう生活が癌につながりやすいのか? 様々な研究が続けられています。
年齢・性別・喫煙状況・食習慣・運動習慣・肥満度などによりそのデータをとって、リスクとなる要因がまとめられています。
感染・化学物質・生殖要因とホルモンなども、癌の発症リスクに関係しています。
国立がん研究センターのサイトにある「がんリスクチェック」では、循環器・大腸がん・脳卒中・健康習慣・胃がんなどが項目ごとにチェックできます。
気になる方は、一度チェックしてみてください。
超加工商品の摂取、がん発症・死亡リスク増大と関係 英研究(CNN)
冷凍食品や出来合いの食品など超加工食品の摂取量が多いほど、がんの発症や死亡リスクが増大するという調査結果が1月31日の医学誌に発表された。
この調査は英国で約19万7000人を対象に実施。
調査対象者の半数は女性で、特に卵巣がんのリスクが高いことがわかった。今回の研究では超加工食品の摂取と34種類のがんとの関係について、10年間にわたって調査した。
2006~10年(※1)にかけて住民を追跡調査したデータベースで19万7426人の食生活を調べた結果、超加工食品が食事に占める量は、少ない人で9.1%、多い人で41.4%だった。
インペリアル・カレッジ・ロンドンの発表によると、食事パターンと病歴を照らし合わせて調べた結果、超加工食品の摂取量が10%増えると、がんの発症が2%増えることが判明。
特に卵巣がんと診断されるリスクは19%上昇した。がんによる死者も増えることが分かった。
超加工食品の摂取量が10%増えるごとに、がんによる死亡リスクは6%増大し、卵巣がんによる死亡リスクは30%増大していた。※1 追記 2023年は、超加工食品が食事に占める比率はさらに高まっていると考えられる。
cnn.co.jp 2023.2.1 21:53配信より一部を抜粋
がんと食生活
◇ 胃がん
濃い味、塩分の高い食味を好む日本人の食習慣が、胃がんの危険因子といわれます。「塩分過多とピロリ菌感染が胃がんを招く」、胃がんは50歳以上の日本人に現れやすいがんです。
◇ 大腸がん
近年急増する大腸がんの要因は、食生活の欧米化が影響しているといわれます。
男女ともに40歳を過ぎてから増え始め、高齢になるにつれて発症リスクが高まります。
初期は自覚症状がないことが多いため、定期健康診断なども受けてください。
◇ 食道がん
熱すぎる食べ物や飲み物を摂ることは日本の特徴で、食道がんを誘発する要因となります。多量の飲酒も危険因子。
◇ 肝臓がん
日本では多くがC型肝炎を起因として肝臓がんを発症することが多く、多量の飲酒によって発症することもあります。
◇ 女性特有のがん
乳がん・子宮体がん・子宮頸がん・卵巣がんなどの発症には、喫煙や運動不足に加えて食生活も影響しています。
食生活の欧米化や動物性脂肪の摂りすぎ、野菜不足、果物不足、多量の飲酒は危険因子とされます。
食生活、食習慣の見直しを
日本人の2人にひとりが癌を発症し、その内の3人にひとりが癌で死亡している昨今、食生活も関係していることは否めません。
保存性が高く日持ちする食品、冷凍技術の発達で電子レンジを活用すると、見た目にも味的にも見事に再現される便利な食品、すぐに口にできる出来合いのお惣菜、食品売場に並ぶ半加工食品‥‥
「手軽」「便利」「スピーディ」「美味しい」「そのまま」などのフレーズに、つい手を伸ばしてしまいがちですが、頭の片隅に「超加工食品とガンの関連性」もおいて、毎日の自分の食事、家族の食事を考えみてはいかがでしょう。
米・野菜・豆・魚などの食材を、塩・味噌・醤油・植物油などを使って調理して、家族で囲む食卓‥‥
動物性脂肪を控え、青背の魚などを積極的に摂取すること。野菜や果物を上手に摂り入れること。飲酒は適量を嗜むことなどを意識してみてください。
食は間違いなく、健康な身体と心に影響します。
■ 参考資料
- 厚生労働省政策統括官(統計・情報政策、労使関係担当)『人口動態統計』 人口統計資料集(2022)
- 国立がん研究センター がんの発生要因と予防
- 全国健康保険協会 健康サポート 生活習慣病とその予防 気になる病気辞典
■ 出典
cnn.co.jp 2023.2.1 21:53配信「超加工商品の摂取、がん発症・死亡リスク増大と関係 英研究」
