コロナ後遺症を知ろう

新型コロナウイルス(COVID-19)感染症が日本にも広がって、早1年以上を経過しました。2021年6月中旬現在、日本国内では約78万人が感染し、14,000人を超える死者数が数えられています。

感染が広がるにつれ、自分の身近な人にも発症者が出るなどして、ワクチン接種が進む今も心配は絶えません。74万人近い回復者の中には「感染症の発症前にはなかった症状が長く残って不安だ」という声も聞かれます。

コロナ後遺症とは

新型コロナウイルス感染症を発症した人の中で、若い年代の中には「コロナを発症したけど、軽い風邪くらいで大したことなかった」と言う人もおられます。

また、回復後も残る症状に悩む方もおられ、人によって症状は様々です。

後々まで引きずる主な症状として、

  • 頭痛
  • 倦怠感
  • 脱力感
  • 動悸、息切れ
  • 集中力の低下、もの忘れ
  • 睡眠障害
  • 嗅覚、味覚障害
  • 塩分を敏感に感じるようになった
  • 食欲不振
  • 体の痛み、関節痛
  • 持続性の咳

などがみられます。

ブレインフォグ

コロナ後遺症の中には、

  • クルマの運転が不安。慣れた道なのに、道順が思い出せない。
  • 人の名前や、物の名前が思い出せない。
  • やろうとしたことが何だったか、忘れてしまう。
  • 頼まれたことや約束を忘れてしまっている。

などの症状を気にする方もおられます。このような脳に霧がかかったような、軽い記憶障害を「ブレインフォグ」と呼びます。

この軽い記憶障害はMRIを撮っても異常は見られず、新型コロナ感染症を発症したことにより脳内に軽い炎症が起きていると考えられています。

コロナ後遺症が起きる原因は?

新型コロナウイルス感染症を発症すると、体内では感染症を治そうとして炎症反応が起きます。体内に取り込まれたウイルスが肺や心臓、脳、腎臓、膵臓などの細胞や血管の内側に付着すると、好ましくない影響を及ぼします。

血液がかたまりやすくなって、血栓ができてしまうと臓器の一部がダメージを受けてしまい、スムーズに機能する妨げとなります。

仮に新型コロナウイルス感染症の症状は軽微で、初期症状が落ち着いていたとしても、時に症状が急変したり後遺症として残ったりすることもあります。

もう一つの要因として、不定愁訴も考えられます。「不定愁訴」とは、明確な原因がないのに、肩こりや目まい、頭痛など身体に不調を感じることをいいます。

コロナ後遺症の場合、原因は明確で「コロナに感染してしまった」「他人に移したらどうしよう」「治っても、しばらくは尾を引くのではないか」といった不安やストレスが、何となく体調がすぐれないといった症状を招いてしまうことがあるようです。

後遺症はどうしたら治るの?

ご存知のように、新型コロナウイルス(COVID-19)が発見されて年数が浅い昨今。治療法や薬、ワクチンなど、世界が全力で対処法を模索し続けていますが、蓄積データが期間的にも短いために、これが確実と断言できる方法は確定されていません。

人によって発症する症状が異なり、後遺症が異なるように、治療法もそれぞれによって違ってきます。

どうしたら治るか、現時点で断言することはできません。

大切なことは、確実な治療法が見つかり、治験を終えた安定した薬ができるまで(できてからも)、感染することなく気をつけてこの未曾有の困難を切り抜けていくことではないでしょうか。

後遺症はどれくらい続くの?

既にCOVID-19や変異ウイルスに感染した人も、いま現在、後遺症を抱えて苦しい思いをしている人も、症状が様々なように、後遺症が落ち着くのに必要な期間も残念ながら断言できません。

どれくらいで治るかは症状により人それぞれで、徐々に回復に向かうと言われています。「日にち薬」の言葉もあるように、症状が軽微でたまに気が付く程度の状態であれば、経過観察しながら時間をかけて落ち着かせていくことになるでしょう。

当事者のしんどい思いを周囲が理解し、寄り添えるところは寄り添って、新型コロナウイルス感染症を克服できるよう、社会全体で努めていきたいものです。

*新型コロナウイルス感染症の治療と予防、ワクチン接種などに対応してこられた医療従事者の方々、現在および今後も対応してくださる方々に敬意を表し、御礼申し上げます。